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MyMiniFactoryがThingiverseをUltimakerから買収。新ブランド「SoulCrafted」へ統合

MyMiniFactoryが3DモデルプラットフォームのThingiverseをUltimakerから買収したと2026年2月12日に発表した。両者を合わせたユーザーは約800万人規模で、新ブランド「SoulCrafted」のもと、人間が制作した造形可能なデータを優先する方針を打ち出した。

3D モデルプラットフォームの MyMiniFactory が、3Dプリンタ普及期から最大級の共有サイトとして使われてきた ThingiverseUltimaker から買収したと 2026年2月12日に公式発表した。両者を合わせたユーザー規模は約800万人にのぼり、新ブランド SoulCrafted のもとに統合される方針が示された。生成 AI 由来のモデル流入が進む3D 共有サイト全体の流れの中で、人間が制作して実際に造形できるモデルを優先する立場を明確にした再編となる。

MyMiniFactory による Thingiverse 買収発表(GlobeNewswire / MyMiniFactory 公式 press release)

MakerBot から MyMiniFactory への16年

Thingiverse は2008年に MakerBot がローンチしたモデル共有サイトで、3Dプリンタ黎明期から「とりあえず最初に開く場所」として位置づけられてきた。MakerBot が Stratasys に買収され、その後 Ultimaker と合流した経緯のなかで Thingiverse も Ultimaker 傘下に入ったが、近年はモデレーションや AI 生成データの流入をめぐる課題が指摘されていた。今回の買収で、運営がコミュニティ寄りの MyMiniFactory へ移る形になる。

MyMiniFactory の公式 blog post によれば、Thingiverse は買収後も独立したプラットフォームとして残しつつ、MyMiniFactory の SoulCrafted イニシアチブ傘下の「SoulCrafted カンパニー」として運営される。MyMiniFactory はこの10年、クリエイター優先の還元モデルを軸に運営してきたプラットフォームで、これまでに制作者コミュニティへ約1億ドル以上を還元してきた実績を持つ。

SoulCrafted = 「人間が出した」と「造形可能」

統合後の方針をまとめると次の通り。

  • 統合ブランド: SoulCrafted
  • 統合ユーザー数: 約800万人
  • MyMiniFactory の還元実績: クリエイターコミュニティへ約1億ドル超
  • データ方針: 実際に造形可能で、人間が責任を持って公開したモデルを優先
  • AI 生成データ: 一律排除ではなく、上記基準で取り扱う
  • モネタイズ: 「インフラが安定したら」段階的に導入

方針として注目されるのは、AI 生成データを完全に排除するのではなく「実際に造形可能で、人間が責任を持って公開したデータ」を中心に据える線引きを取った点だ。生成 AI による3D モデル出力は、見た目はできていても造形パラメータが破綻していることが多い。プラットフォーム側が「印刷できる/できない」と「人間が出した/AI が出した」の二軸を整理した運用に踏み込んだ事例として読み解ける。

MyMiniFactory ブランドビジュアル(公式 press release)

分散型エコシステムの中の位置取り

買収条件と過去経緯のポイント。

  • 発表日: 2026年2月12日
  • 買収額: 非公開
  • 売却元: Ultimaker
  • 過去経緯: MakerBot(2008)→ Stratasys → Ultimaker → MyMiniFactory
  • 今後: Thingiverse は独立プラットフォームを維持しつつ SoulCrafted ブランドへ統合

3D モデル共有サイトは、Thingiverse の一強から、Printables(Prusa)、MakerWorld(Bambu Lab)、Cults、MyMiniFactory といった分散型に移ってきた。そこに AI 生成モデルの大量流入が重なり、「どのサイトのモデルなら印刷できるか」が利用者の選定基準になりつつある状況だ。Thingiverse が改めてコミュニティ寄りの運営に戻るこの再編は、3D データ流通の信頼性をめぐる業界全体の方針調整の一つとして位置づけられる。

日本国内のメーカーや個人クリエイターにとっても、収益化と信頼性の二軸でどのプラットフォームに作品を置くかを再考する材料になる動きだ。「Dare To Be Human」というスローガンが、AI 排除のドグマではなく「印刷できる責任ある作品」の選別基準として運用されるかどうか——MyMiniFactory が掲げた線引きを、Thingiverse の18年分の負債のなかでどう実装するかが見どころになる。


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