現場

HuRoC、大田区長を表敬訪問。「人とロボットの共生社会」構想を共有

Human-Robot Commons(HuRoC)準備会が2026年4月22日、大田区役所を訪問。鈴木晶雅区長に対し、HuRoC EXPO 2026 の構想と、大田区を「ヒューマノイドロボットの実証プレイグラウンド」と位置づける下町発の社会実装プロジェクトについて報告を行った。

人とロボットが共に暮らす未来をプロトタイプする共創プラットフォーム Human-Robot Commons(HuRoC) の準備会メンバーが、2026年4月22日、大田区役所を訪問。 鈴木晶雅区長に対し、 2026年7月17日に開催を予定している HuRoC EXPO 2026 の構想と、 大田区を「ヒューマノイドロボットの実証プレイグラウンド」と位置づけて進める社会実装プロジェクトについて報告した。

HuRoC 準備会が大田区長を表敬訪問。 左から AMX 山田秀樹氏、 シグマクシス 桐原愼也氏、 鈴木晶雅 大田区長、 星野裕之 HuRoC 代表。

大田区を「日本の縮図」として位置づけ

HuRoC は、 otuA Inc. 代表でデジタルハリウッド大学教授の 星野裕之氏 が代表を務め、 シグマクシス や 区内製造企業 AMX らが連携する産学連携のプラットフォーム。 「人とロボットが共に暮らす未来を、 試行・創造する共創プラットフォーム」として、 ヒューマノイドロボットを単一の研究室や工場ではなく、 街の生活空間そのものに溶け込ませる「ヒューマノイドユースウェア」開発の構想を掲げている。

表敬訪問の場では、 大田区を「日本社会のあらゆる要素が、 ひとつの区に重なる場所」 — 産業、 生活、 人口、 空間、 防災、 移動の6つの軸で日本社会の縮図となる地域 — として位置づけ、 実証フィールドとして活用する方針を共有した。

大田区の3,500社の町工場と、 商店街・空き家との接続

報告の中で HuRoC 側が強調したのは、 大田区が持つ実装拠点としての強みである。

  • 製造業集積: 23区最多の 3,500社規模の町工場が、 「仲間まわし」で部品加工を工場間に連携する体制を維持している。 ヒューマノイドの試作・小ロット製造から、 量産までを区内で完結させられる可能性がある。
  • 多様な生活の場: 商店街・住宅街・大田市場・銭湯など、 23区最大面積(61.86km²)の中に、 ロボットが向き合うべきあらゆる生活シーンが集積している。
  • 国際的ハブ: 羽田空港(HND)を擁することで、 海外パートナー企業や国際的な観光導線と直結している。

これらを背景に、 HuRoC は 大田区雑色商店街連合会・極東精機製作所をはじめとする町工場ネットワーク・羽田旭の旧小学校跡地まちづくり拠点との連携を、 既に立ち上げている。 表敬訪問では、 これら現場側のステークホルダーと区との連携をさらに加速させる方針について意見交換が行われた。

HuRoC EXPO 2026 と「課題公募・実証」のサイクル

訪問の主目的のひとつが、 2026年7月17日に 大田区産業プラザPiO で開催される HuRoC EXPO 2026 の概要報告である。 同 EXPO では、 AM(付加製造)関連企業、 ロボティクス企業、 大学・高専・研究機関、 自治体、 連合会・組合などが集結し、 「人とロボットの共生社会」をテーマにメインステージ講演・パネルディスカッション・出展ブースを展開する予定だ。

EXPO に向けた事前プログラムとして、 大田区雑色商店街連合会と連携した「実証フィールド公募」も進行中である。 商店街・町工場・空き家・公共空間・観光施設・教育/福祉/医療施設など、 大田区内の現場から課題を募集し、 4〜6月の公募・検証フェーズを経て、 5〜7月に5件の事例化を選定する流れを設計している。 選定された実証フィールドは EXPO 2026 のステージで発表される予定だ。

「街でロボットを育てる」ための行政連携

HuRoC が掲げるアプローチは、 完成したロボットを街に「持ち込む」のではなく、 街での実証を通じて「ロボットの未来を育てる」というものだ。 そのためには、 行政・商店街・町工場・大学・スタートアップが、 同じ床に立って実証プロジェクトを動かしていく必要がある。

今回の表敬訪問は、 その入口を区長との直接対話で開いたという意味で、 HuRoC にとって重要な節目となった。 今後は区との具体的な連携枠組みを詰めつつ、 EXPO 2026 を旗艦に、 大田区を起点とした下町発のヒューマノイド社会実装プロジェクトを進めていく方針だ。


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